こどもと科学とノーベル賞 「大阪市立科学館」

Dsc00897 元は、1937年(昭和12年)に日本で最初に科学館という名称がついた電気科学館とのこと。たしかに、電磁気関係の展示は気合が入っています。
4階までエスカレーターであがってフロアを一周して1階ずつおりてくるという動線になっていますが、初っ端の4階から時間がたつのを忘れてしまうほど盛りだくさんの展示があります。

幼稚園、小学生低学年の集団が次々とこのフロアにベルトコンベア(エスカレータ)で送り込まれてきますが、自然界の電気や磁気を体感する展示スペースは遊園地のような大混乱状態です。体感を楽しんでいる子供を見ているとなんだか安心しますね。

 

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1階ではさらに身近なさまざまな発電の仕組みの展示があります。揚水発電(昼間の需要にこたえるために夜間に水をくみ上げて昼間発電)の展示では、ハンドルを回して水をくみ上げる体験ができますが、子供の有り余る体力がエネルギーに変換されるさまは見ものでした。

  

一方、かつてここ中之島4丁目には大阪大学理学部があり、湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した中間子論を構想した場所です。自筆の原稿が展示されており思わず見入ってしまいましたが、当然子供は近寄ってきません。

南部陽一郎博士がノーベル物理学賞を受賞した「自発的対称性のやぶれ」の発見を子供でも直感的に理解できるようにと工夫して作られた「磁石のテーブル」もかなり頑張って作ったことはわかるのですが、子供には理解不能のようです。説明文を読まなくてもわかるものでないと難しいのですね。

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「磁石のテーブル」

 

 

以前から危惧されている大阪市の財政破綻の可能性を考えると、このような教育・文化施設の存続は困難になってくるのかもしれませんが、科学技術立国をうたうのであれば、こういう施設は維持したいですね。1つの「市」で支えられないのであれば、ほかに方法はないですかね。