主任研究員・一條彰子さんの案内で、「ギャラリートーク」を体験させていただきました。まず、20人ほどが自由な配置・体勢で1枚の作品に向かいます。一條さんのきっかけのトークに堪能して絵を見て感じたこと、考えたことを発表しあううちに、他の人の話からも刺激されて最初は見えなかったものが見えてきます。以前、現代美術館のギャラリートークに参加した時は、最初、何を言えばいいか困ってしまい口が滑らかになるのに少々時間がかかりましたが、近代絵画だともう少し具象の度合いが高いので最初の一言が口から出やすく感じます。
この企画は、学会の研究会(JMMA基礎部門研究部会・ 平成21年度第2回研究発表会)の一部としてブレイクの意味も含めたものでした。研究会のテーマは、「利用者側から見たミュージアム・リテラシー 学校と博物館」。博物館・美術館での学び方、学校教育との関係の研究をしている方々の集まりです。
美術館での鑑賞と言えば「まず静かに見ること」と「できれば、ふむふむと難しい顔をしながらゆっくり歩を進めること」と思ってしまっていましたが、最近ではいろいろな試みがなされています。今回のように、作品と自分の関係だけでなく、会話しながら鑑賞することで頭に対する刺激ももらうギャラリートークもいろいろな美術館で行われています。
もともと、楽しくなければ博物館じゃない、ですよね。混沌の中から結晶した形式美も、時間とともについつい形骸化してしまいます。意識して壊さないといけません。壊す場として使いましょう。
※2年前の訪問記です。
(2009/10/25 鑑賞、2011/7/8 執筆)