弥生時代と江戸時代のつながり 静岡市美術館(静岡市)

DSC03207a  今の静岡の一部、駿河国といえば、徳川幕府の初代将軍家康が少年時代に人質として過ごした臥薪嘗胆の地であり、15代の最後の将軍慶喜の大政奉還・江戸城無血開城のあとに徳川家が移された政権終結の地です。
 
 JR静岡駅の目の前のビルに2010年に開館したばかりの静岡市美術館は、いろいろなジャンルの展覧会が開催される、東京の新国立美術館のような新しいタイプの美術館です。確かではありませんが、常設展示はなく、フロアマップを見る限りは収蔵庫も無いので自前のコレクションは持っていないのだろうと推測しました。
 
 「弥生時代」の代表的な遺跡・登呂遺跡と登呂博物館見学の帰りに訪問すると、開館記念の展覧会「家康と慶喜-徳川家と静岡」展が行われていました。家康、慶喜、そして、慶喜の養子・徳川宗家16代当主・明治の初めの静岡藩知事である徳川家達(いえさと)の3人にゆかりのある品々が展示されていました 

 慶喜のお父さんが建立した碑が「弥生時代」の名前につながっている ことも知ったので、なんだか、千年以上離れた「弥生」と「江戸」の2つの時代にはつながりがあるように感じてしまいます。
 
 家達が亡くなったのは昭和15年ですから、写真や洋画の肖像画等、残された資料は昭和の時代に直接つながる雰囲気を持っています。日本赤十字社の社長もやっているのですね。
 
DSC03209a  家康が生まれたのは三河国(現:愛知県)、慶喜は江戸生まれの水戸(現:茨城県)育ち、家達も江戸(現:東京)生まれ、故郷はバラバラなのですが、彼らの人生時代を超えてはなぜかここ静岡の地で交錯したということになります。
 
 約300年16代の歴史の探訪をした展示室から現世に戻るとそこは近未来的なエントランスホール。ここでも、これからいろいろな人生が交錯するのでしょうか。

 

 新幹線に乗って江戸へ。
 
(2011/1/22 鑑賞、2011/6/24 執筆)

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