書に合わせて紙を裁つ  相田みつを美術館(東京・千代田区)

Aida01  「みつをの作品はどれも大きさが違う。少し大きめの紙に字を書いてから、それに合わせてトリミングしたのである。」という館長の解説を読んで、なるほどと思いました。たしかにどの作品も微妙に大きさが違うようです。書が主役で、紙は背景です。背景を無理やり標準化しても意味がありません。各行の書き始めの高さも横一線ではなくて、字の配置全体で横に長い楕円形のようになっているという解説もありました。人を育てるのもそういう順番であってほしいですよね。ちなみに館長は、みつを氏のご長男です。

 
  

DSC07815a  何度も前を通りながら、かえっていつでも来れるという気がして、また「あのヘタウマな感じの書だけの美術館」という気持ちもあって、今まで中に入るきっかけがつかめませんでしたが、今回は「ぐるっとパス」を使いました。どういう内容なのかわからないミュージアムに一度試しに入ってみるのはいいチケットだと思います。

 結果として、展示してある書のいくつかに感じ入ることができました。

  

 この日の一番は、これでした。(当然、活字では伝導率がかなり落ちます。)

 

  花を支える枝
  枝を支える幹
  幹を支える根
  根は見えねんだなあ
         みつを

  

 自分を映す鏡となる作品はその日によって違うでしょうから、時々立ち寄ってその日の自分を発見する場所になるかもしれません。出口にあるカフェも静かに考え事をしたくなりそうな佇まいでした。
 
(2011/6/21 見学、2011/6/27 執筆)
 
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