相続したもの 「ノーベル賞110周年記念展」国立科学博物館(東京・上野)

Nobel01ダイナマイトの開発者アルフレッド・ノーベルが苦労をともにした父イマニュエルから相続を望んだただひとつのものがスウェーデン王立科学アカデミーから共同で受賞したレッテルステット賞のメダルだったということです。

 

 

 

 

Nobel03最終的に経済的には大成功したものの、度重なる倒産、実験中の家族の爆死、特許争い、女性問題(被害者側)・・・とその人生は照明を落とした会場の雰囲気のようにけっこうどんよりとしています。その中で、業績をストレートに評価してくれた証であるこのメダルには特別の思い入れがあったのでしょう。

その思いが結晶化したのかもしれません。ノーベルが残した最大の遺産は、ノーベル賞という仕組みでしょう。この賞を意識し心のよりどころにして研究を重ねたすべての人々に与えた影響と、その成果によって成し遂げられた文明の進展の総量を考えると、もともとの経済価値はいったい何倍に膨れ上がったことになるのでしょうか。

 

Nobel02写真は、物理学賞・化学賞のメダル。自然の神秘をあらわす女神イシスの顔を覆うベールを科学の女神が持ち上げている絵だそうです。授賞式の写真パネルの前でメダルとツーショットで写真撮影ができるコーナーがあります。お子さんを連れて脳裏に記憶を相続する機会になるかもしれません。

 

http://www.kahaku.go.jp/event/2011/11nobel/