「先生の先生」 東京工業大学博物館 その2


B012009年10月、「フェライトの発明とその工業化」が歴史的偉業として認定され、東工大とTDKに対しIEEE milestone(アイトリプルイーまいるすとーん)が授与されました。発明は加藤与五郎・武井武 両博士によるものです。

 

 

 

 

B02昨年まで大学院でご指導いただいた先生に、受賞が決まったあと武井武博士の伝記をいただき、またTDKの博物館を立ち上げた方をご紹介していただいたりしました。お二人は、武井武博士の弟子にあたる方々でした。

師弟関係によって親子のように受け継がれていくものがあります。自分の場合、お世話になった先生方に対する敬意がこれまで全く足りていないと思い知らされる機会にもなりました。敬意の不足でその貴重な薫陶も十分に吸収できなかったのではないかと残念に思います。


 

 

 

 

 

B03磁性材料フェライトは「その1」の導電性高分子の発見と同様に実験室で偶然に発見されたものです。ただ、実験の積み重ねと先入観を抑えた眼と頭がなければ偶然は呼び込まれなかったでしょう。その後、高性能の磁性材料は、記憶媒体としてシート化され、テープ化され、そしてその後のITの急速な発展の基盤を支えることになりました。

 

TDK歴史館」は、秋田県にかほ市のTDKの工場敷地内にあります。機会があれば見学したいと前々から考えていましたが、今回東工大の博物館で意図せずに関連展示を発見しました。

IEEE milestoneは、ノーベル賞に比べると一般的認知度がそうは高くありませんが由緒ある賞です。IEEE(米国電気電子学会)が電気・電子技術やその関連分野における歴史的偉業に対し認定します。認定には、25年以上世の中で評価を受けた実績が必要です。