展覧会のオープニングで、釜石の青年会が鵜住居虎舞を披露しました。
若い衆が舞い唄うステージの脇で少年が不動で幟を立てていました。道具一式が流されても地域の伝統を体で伝える青年たちと、次世代の少年です。人から人へ伝承するものがあります。
展覧会場には、今回の震災で出現した昭和8年の津波石(大船渡市吉浜)の拓本がありました。昭和津波で打ち上げられた巨石にその記憶を長く遺すために碑文が彫り込まれたものの、その後40年ほどして道路工事で埋められていたものだそうです。物に託して残そうとするものもあります。
記憶はいつか薄れもやがかかってしまうことを知っているからこそ、人と物を通してどうにか遺そうと苦心するものなのかもしれません。
今日から3月11日まで、港区有栖川公園内の都立図書館で開催されています。
江戸時代以前のことのみならず、明治津波・昭和津波の記録でさえ、残し続けるのがどれだけたいへんなことか教えてくれる資料の数々が展示されています。
http://www.library.metro.tokyo.jp/home/news/tabid/2287/Default.aspx?itemid=359