170年組み合わせられ続けた直方体と円柱 写真歴史博物館(東京・港区)

http://fujifilmsquare.jp/guide/museum_detail.html#detail01

19世紀に開発された初期の機器から現代のデジカメにいたるまでその外形フォルムが直方体と円柱という少し系統の違う2つの形の組み合わせになっていることにあらためて驚きました。光を円柱でとらえ、長方形の記録媒体に定着させるというカタチの変換は人為的な設計コンセプトだと思いますが、それが170年不変だったということです。したがって、この2つの形の組み合わせが目に入ると「カメラ」という意味がほぼ自動的に認知されることになります。

あるカメラには、こういうタイプの施設では多少のイガイガ感をもって目立つ「国立科学博物館」の表示が。『重要科学技術史資料 00071号』 FUJIX DS-1P、1988年に世界ではじめて試作されたデジタルカメラです。

http://www.kahaku.go.jp/institution/sts/material/index.html

1986年に発売されたレンズ付きフィルム『写ルンです』がその後大ヒットし、高級カメラの需要を食い始めた時代に、すでに次の次の技術が芽吹いていたということになります。

富士フィルムが運営するミッドタウンとFUJIFILM SQUAREの一角の小スペースにあります。半分がロールフィルムを用いた現代的なカメラに発展するまでの歴史、半分がフジフィルムが作った実際の製品の歴史です。

スペースは小さくとも、10年単位で生じた不連続の技術革新が詰まっています。なおのこと、外形の歴史的共通性が際立つのでしょう。