冬の大三角形、覚えました 多摩六都科学館(西東京市)

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目玉である先進的なプラネタリウムが「最も先進的なプラネタリウム(Most Advanced Planetarium Projector)」に選ばれたのは喜ばしいことでしょうし、肉眼では識別できないに違いない約1億4000万個の恒星の投影というのも素晴らしいことです。

ただ、生のナレーションで実際のこの地から見える風景と天空をじっくりと解説してくれたプログラムこそが私にとっては最高のものと思いました。数十年間頭に残らなかった『冬の第三角形』どころか『冬のダイヤモンド(六角形)』まで、位置関係の形と主要な星の名前や星座まで脳に染み込みました。

学生時代にすんでいたここ武蔵野の地の住宅街の中に突然マッシュルームが巨大化したような施設です。帰りは田無駅行きのコミュニティバスに乗りました。ほとんどがT字路と鉤型で構成される生活道路の迷路の中を抜けていきます。この地域を通過する車の視点から見たら非効率に見えますが、住む地域としたらこのほうがふくよかなのではないかと感じます。かつては林の中に畑が拓かれて発展したのではないかと思いますが、どうしてこういう道路網が形成されたのか、締め切りなしの宿題を自分に出しました。

大きいわけではない6つの市がバブルの後の1994年に共同で立ち上げたこと、乃村工藝社が指定管理者として運営していること、など、自治体と公務員のプライドの伝統から少し違った試行がなされたのかな、と想像します。来場者を見てみても、非日常的な観光・遊びという感覚とは少し違う、地に足のついた生活感を感じました。