勢いをあらわす表現形式の古代バージョンかもしれません 『国宝 大神社展』その2

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『国宝 大神社展』

国宝「七支刀」。古墳時代・4世紀ころのもの。 奈良・石上神宮(いそのかみじんぐう)蔵。

 

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5月6日までの展示予定が、所蔵先の厚意で5月12日(日)までとなったそうです。

考古研究員 井上洋一さんの軽妙なギャラリートークの中で紹介されました。その一言の背景には、宮司さんとの長年の信頼関係があるのだろうと感じました。

ポスターの画像では上を向いて立てられていますが、展示では横になっています。井上さんが教えてくれた真贋の見分け方は、本物は途中で折れているという事実でした。切断部に無理がかからぬよう横たえているのだそうです。レプリカはつながった一体型だそうです。

 

※写真撮影は、館の許可を得て行っています。

4世紀ころに大陸から渡ってきたとされるオタカラの刀身両面に金象嵌銘文が施されていることが再発見されたのはなんと明治に入ってから。刻まれた61文字の中には錆による腐食で読み取れないものもあります。いずれ最新の科学を使って時間をさかのぼって再現されるかもしれませんが、会場では両面から間近に観察することもできますから、達筆の読み取りに自信のある方多数の挑戦も解明に役立つかもしれません。

これを七支刀(しちしとう)とみるか、六叉の鉾(ろくさのほこ)とみるか、解釈するものがもつフレームワークに影響されるようです

前提なしで眺めていると、これは植物の形を模したものなのかもしれないと感じます。盛んな様子を示すしるしなのかもしれません。首や手など諸々の器官を複数そなえることによってその勢いを示した後世の彫刻などの表現デザインのコンセプトの起源にあたるのではないかと妄想しました。