お祭りには歴史が刻みこまれています 府中市郷土の森博物館

http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/index.html

131002dsc03078

ぐるぐる回されながら進む万灯。

5月の初めに70万人の人出でにぎわうという「くらやみ祭り」、東京に住んで長いのに全く知りませんでした。「関西、九州、東北に比べて関東の祭りは・・・」などと見当違いのことを考えていました。

最近は、地域の総合/歴史博物館で、歴史のあるお祭りの展示というのは目立っています。ここでも常設展示の順路冒頭にかなり工夫を凝らしたお祭りの展示があります。ただ、その部屋をでると、すとっと定番の海の拡大縮小や石器時代からの歴史順展示が始まります。

最後まで見届けてこの違和感を解消するためにもう一度逆進してみていくと、中世のコーナーに博物館スタッフが2名待ち構えていました。(広い展示室に私しか見学者はいません。)

「25年前にできたのでまだ建物は新しい。」

「5年ほど前に2年連続で予算がついて、順路の頭から常設展示を作り直したのが、お祭りのコーナー。そこで予算措置が切れたのでそのあとの展示は基本的に開館当時から大きくは変わっておらず。」

「府中は、昼夜人口の差がそれほどは大きくない。都心のベッドタウンという側面はあるが、地元でも一定の規模がある。」

「お祭りの歴史の中で、府中以外の周辺地域の協力を仰いだことがあり、その影響力が今でも続いている。祭り運営の中核にもそのころの名残があり、必ずしも市民だけで維持しているのではない。」

・・・等々、けっこうな時間、立ち話に付き合っていただきました。

奈良から平安時代にかけての武蔵国の中心地。国府がおかれた土地が府中と呼ばれたそうです。(だから日本全体で複数地名が残っています。)

人口25万人の市の博物館、と考えるとかなり充実した内容でした。この地域ならではの遺物がたくさん展示されていました。

時間の都合ですべてを見ることができなかったのは残念です。プラネタリウムでの3D上映が呼び物になっているようですが、午後の上映時間まで待てず。また、周辺の公園内には江戸時代から昭和までの建築物が復元されているとのことですが、残念ながら雨も降っており見て回る時間も限られていたので見学はあきらめました。