仏像から受け取る唯識の二重構造 (東京藝術大学大学美術館)

興福寺創建1300年記念 国宝 興福寺仏頭展

http://butto.exhn.jp/

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この、比較的シンプルな外観の内側に展開された世界、圧巻でした。

ポスターで国宝「銅造仏頭」のなんともいえない表情を拝見しただけでこの展覧会にはいかねばならないと思っていました。

しかし1品のとびぬけた主役だけの構成ではありません。一体一体の立体感に圧倒される板彫十二神将像(平安時代)と木造十二神将立像(鎌倉時代)を順番に見て回るだけでの時間がたつのを忘れました。

特に厚さ3センチほどのヒノキから刳り出された板彫十二神将像の3次元表現には見とれてしまいます。世界各地の遺跡で目にした石彫・木彫の板彫表現も思い出しながら、この手法が世界に並行多発したのか、拡散したものなのか、勉強しないといけないと自分に宿題を出しました。

興福寺は、唯識論を展開した法相宗のお寺。

そういう宗派における仏像を鑑賞しながら自分の頭の中に想念が浮かび上がるというのは、唯識論的な狙いがあるのかもしれません。