妄想拡張現実投影機=天球儀  DNPミュージアムラボ(東京・五反田)

http://www.museumlab.jp/bnf/

”3Dデジタルデータ”が強調されていますが、なによりも実物の天球儀・地球儀の展示にみとれます。

とりわけ、16世紀のアラブの天球儀。銅製の球体表面の星の位置に穴が穿たれ銀が埋め込まれています。積年のあれこれで何か所かは銀が外れています。星座も線刻されています。中心に電球を置いたら、そのままプラネタリウムにできるのでしょうか。実物の観察と自由に回転できるディスプレイの拡大画像とを行き来しながら、球体表面を丸ごとをしばし独り占めです。

(実物の方の写真は撮影禁止でした。ぜひ直接見学にお出かけください。)

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宇宙の外からの観察を終え、今度は、それが実は現実の視点である天球儀中心にバーチャルに入り込込みます。道具はヘッドマウントディスプレイ、ヘッドフォンの案内を聞きながら天空を観察します。

このデジタル技術には関心はするものの想像の範囲内です。2千年前から始まった、外側から宇宙を観察する天球儀という逆転の視点は、人類が踏み出した不連続の一歩です。

平日は、金曜の18時過ぎからのみ。

観覧には予約がいるので混雑することもありません。

前期は2016/5/22まで。

天球儀・地球儀の入れ替え後、後期は9/4まで。他の天球儀を観察するのが楽しみです。

 

p.s.

今春旅したポルトガルの街ではいたるところで天球儀を発見しました。

大航海時代で世界の定義を書き換えた国の決定的な道具です。

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斜めの帯部分が黄道、赤道の上下の輪が回帰線だと想像していますが、接するはずなのに傾きが急すぎて交差しているのがなぜなにかわかりません。天球儀見学で訪問するミュージアムで質問を重ねていこうと思います。