食事の風景/家族の人間関係 国立歴史民俗博物館

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『食卓を囲む』
という物理的表現は、家族の間の暖かな心的つながりの隠喩でもあります。古代から現代に向けて時代順に食事の風景に着目しておくと、その表現に見合ったものが現れるのはせいぜい明治時代からということになります。丸い卓袱台はそれまでに歴史と関係なく、四民平等が政策となった明治時代、まさに突然出現します。

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戦後の”自由と平等”は生活の洋風化とも重なり、卓袱台はテーブルへと変身します。

食事の道具として展示されているものは長らくは個人別の”膳”です。武士が支配した社会で重視された上下の人間関係の写像だったのでしょうか。時代をさかのぼり、農業が始まり富の蓄積が可能になった時代、コミュニティ全員が狩猟・採集の役割を担った時代の『食事の風景』もきっとその時代の人間関係をうつしだしているのでしょう。

国立歴史民俗博物館 3/1 見学

 

民主党政権時代の”事業仕分け”などで検討の対象となった国立歴史民俗博物館。

当時の報道では、展示スペースの職員配置の問題も挙げられていたように思います。広大な展示スペースの各所に、かなり豊富に職員が配置されています。何かお聞きしていいのか、それとも資料を見学者から守るのが役目なのか、判断できませんでした。雰囲気としては、声はかけないほうがよいのだろうと感じました。時間が限られていたのでそのこと自体を質問するのも避けてしまいました。