スターウォーズに登場する宇宙要塞が、なぜ紀元前の中国で設計されたのかと目を疑いました。後で写真を見比べるとかなり違いがあるのですが、第一印象はデススターでした。2千年以上前に、この食器のデザインを考えた人は何を考えていたのでしょう。当時は、芸術と技術は不可分だったようなので、今でいうアーティストともエンジニアとも呼ばれない無名の職人だったのでしょう。
取っ手の造形も見事で、太陽表面のフレアを模しているのかもしれないと妄想を膨らませました。
同じように見事な造形であっても自然物を写し取ったものであれば創作とはいっても学ぶべきお手本がありますが、デススターはひたすら創造の産物のように思えます。
上海博物館の一階、中國古代青銅館に並ぶ青銅器は、過去に日本の企画展で見たものを圧倒する量と造形でした。基本的なアーキテクチャーの一つ一つに今では使われていない漢字が一字ずつあてられています。かろうじて理解できるのは「鼎(かなえ)」くらいでしょうか。形が先か漢字が先か、いずれにせよこの多様性は、生物の進化のカンブリア大爆発のようです。
(2010/11/11 見学、2011/6/18 執筆)