いつもは動物園?金曜日夕方は贅沢な時間がすごせます 国立西洋美術館(東京・台東区)

 ここで開かれる特別展ともなれば、初日から最終日まで、常時作品の前に立つには待たねばならない状況が続きます。作品数よりも観客数の方が多い、というのが少なくとも20年以上前からの私の印象です。自然、視野の中に入るのは美術品よりも人間の方が多くなり、見たものの量で博物館の種類を決めるのであれば、ここは動物園というのが正解になってしまうかもしれません。

 美術館の基礎となる美術品が実業家・松方幸次郎個人のコレクションで、紆余曲折を経て戦後にフランスから寄贈返還されここに安住の地を得たという話は知識としては知っていましたが、明確な意図をもって常設展だけ見に来たのは今回が初めてでした。しかも、最近は金曜日は夜8時まで開いていることを思い出してその時間を狙っていきました。結果、あっけないほど空いていて、自らの心の赴くペースで見て回ることができました。

 薄暗く感じたからでしょうか。今回は彫刻の陰影に迫力があって、入場して最初の部屋、19世紀ホールにはロダンの彫刻が並びます。他にだれもいない部屋で数十分見とれていました。館を出ると夜になっており、前庭の彫刻もライティングに浮かんで鮮やかでした。

 展示室が何室もあり作品も多岐にわたるので次回は予習して焦点絞ってまいります。
 
 なお、ここの常設展示は「ぐるっとパス」の対象です。2010年は、常設展はパスだけで入場できましたが2011年は80円の割引だけになりました。これによって利用者数がどう変わるか関心があります。ウェブでアクセスできる業務実績報告書ではこのパスの利用者数等のデータは掲載されていませんが、紙で出された報告書にはあるかもしれません。お隣の国立科学博物館ではそうなっていました。次回行くときは、聞いてみたいと思います。ただしオープンの図書室はないようですが。

(2011/2/4 見学、2011/7/7 執筆)

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