閉鎖系の私を開放系の環境から観察する川魚 千歳サケのふるさと館(北海道・千歳市)

Sake03 魚が私をじっと観察している。

この窓から千歳川の生き物は人間を見学できるようになっている。

人間が魚を直接観察できるように川岸に設けられた観察室であるが、自然環境と部屋の大きさを比較してみたら、観察しているのは開放系の環境側ではないかという疑いがでる。

  

 

 

 

Sake00

 

 

 

 

  

 

 

  

 

 

Sake02 川側から中が見えるのかどうか確認できないかと考えて博物館の外にでて千歳川から見てみたが、窓自体は波立つ流れの下の水面下にあるので、目視できない。川全体としては川幅は広いものの浅いが、観察窓側の岸はおそらく観察しやすいように掘られていて水深が深く水量も集中しているのだろう。岸壁工事がされており川面に降りる階段も見当たらない。怪しい中年が覗き見で川でおぼれたという記事も思い浮かぶし世間体を考えても水中に顔をいれて覗き込むまではせずにおく。

 

 

 

この部屋が地球で、川が宇宙だと置き換えてみると、人間が宇宙を観測しているということ以上に、地球がまき散らす電磁波を観察している宇宙側の誰かのことも自然と考えないといけなくなる。

 

Sake04 館内では普通の水族館と同じく、疑似的な自然環境の中に魚が配置された水槽が並んでいる。

川魚であれば、上流域・中流域・下流域ごとの違いを見せるといった趣向である。

波立つ水面を通しては、屈折とか反射だとかで魚からは人間は見えないかもしれない。地球も案外宇宙人が作った水槽のようなものかもしれない。

さて、サケは、川で生まれ、海で育ち、川を上り、食卓に乗る。なぜか、ウナギの旅と真逆である。しかし、その長い旅程の中のほんの一部の淡水の道で捕獲され人間の食卓に載るところは同じ運命だ。

 

もともとは海で進化を始めた魚類の中で、淡水の川を利用して生存のニッチを切り開いていったものがいるわけだが、成長段階で海と川をまたぐというややこしい戦略がそうそう単純に選択されたとは思えない。大陸の移動だとか、海水面の上下だとかに合わせて選択されたニッチが引き伸ばされた写像に違いない。

地球生物の末裔の中には、惑星間を回遊して成長するものも出てくるのかもしれない。そのとき地球は、出産やクローンニングの場所になるのか、捕獲される場になるのか。

(2011/8/8 見学、2011/9/3 執筆)
 
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