想像の膨らむ金曜夕方 特別展「大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異」(国立科学博物館)

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2013/daikyoryu/

上野の国立科学博物館は、金曜だけ夜8時まであいています。

この時間帯は比較的落ち着いて鑑賞ができます。子どもの歓声の相乗作用で異様な興奮モードに入った恐竜展、というのも人間の観察には役立ちますが、静かに親子・友人で会話しながら観察していくのも素敵なものです。

最近は定番のように開催される大型恐竜を目玉にした展覧会の中でいえば比較的地味な展示だと思います。動く恐竜や大型スクリーンといったエンターテイメント要素がありません。その分、対話しながら想像を膨らませるには快適です。

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白亜紀後期 ティラノサウルス科のタルボサウルス(左)植物食恐竜のサウロロフス(右)

全身100%がそのままの立体構造で発掘されることはありませんから、3次元に復元する際にはいろいろな知見をもとに構成することになります。その際には、実物の骨を支持する鉄骨が組まれ、そこに骨が配置されることになります。

展示は、実物の再現を見ているのではなく、研究者の想像力を見ていることになります。先週、大阪市立自然史博物館の展示では、ティラノサウルスが直立していました。その後の研究で体の軸は水平に近かったことがわかっています。

本当に真実を見ているのか、と考えながら観察することが子どもに伝わったらと思います。

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ティラノサウルス類の子どもとしては世界一の保存状態だとされるタルボサウルスの子どもの化石。手前が発掘された状態。

タブレットPCの画像つきオーディオガイドも見ながら、かなりゆっくりと見学して回ります。ある親子連れと女子高生2人連れとペースが同期しました。それぞれにじっくりと会話を楽しみながらの見学です。

それにしても、ハンマーのような塊が成長した尾部だけの標本(かなり地味)を見つけて、キャプションも見ずに 「あっ! ピナコサウルスだ」 とかけよった女子高生たちはタダモノではありません。

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プロトケラトプスの赤ちゃん15体の集団化石の前で